「悪夢のエレベーター」

もう先週の話ですが、
「悪夢のエレベーター」、シアタードラマシティにて観てきました!

舞台は停止したエレベーターの中。
閉じ込められたのは事情も年齢も格好もまるで違う他人ばかり、四人。

そんな状況での密室劇、
意外な展開にコロコロ転がされていって行き着く先は……。

……

ああ、そこか。

という、ある意味腑に落ちた、というわけではないけれど、
まあ「ひとつの定型」かな、と感じてしまったのは事実です。
ちょーっと種明かし的説明が長かったなとも感じました。

だから驚ききった、凄い!!というほどのインパクトは正直なかったんですが、
閉じたエレベーターの中という設定を舞台にしてどういうふうに描くんだろうと
いう部分も巧くクリアしていたし、
中盤の展開にはそうきたかあ、という面白さも感じましたよ。

役者さんの巧さがだいぶ助けてる気もしましたけど……
片桐さんのナチュラルなこなしかたと吹越さんの百戦錬磨な巧者ぶり、
凄くよかったです。
初見の中村さんも堂に入ったあっちの人の演じぶりで
演技の幅を感じられましたし、
高橋さんは……感想を言うとネタバレチックになるのでアレですが、
迫力もあって頑張ってましたし、可愛くて良かった。
なにより、チームワークのあった四人だなと。

個人的には、
ブラックジョークの見せ方がなんとなく性に合わないところもあって、
むずがゆい思いもしたりしました。
パンフもちょっとなあ……と。

ただ一番前の席で、役者さんたちの頑張りを間近で見れたし、
楽しめたところもたくさんあったので、まずまずではありましたよ。


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今年はなぜか片桐さんの出てる舞台をよく見てるなあ…

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観劇 | 00:00:41 | Trackback(0) | Comments(2)
乙一「The Book」
The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

 昔、週刊少年ジャンプを読んでました。

 HPで感想というか暴言というかそんなのを書いてた過去が
 実はあったりするのですが、そのときから、
 ジョジョはとりわけコメントが難しい作品でした。



 つまんないわけではなく、面白いと楽しめきれたわけでもなくて、
 ただ、他の作品とはまったく違うパワーを持った作品だ、という印象でした。

 私にとってジョジョはそのくらいの思い入れで、だから、
 この作品を読んだ動機は「ジョジョの小説」だからではなく、
 乙一の作品だから、なのです。

 そういう意味では、十二分に、満足でした!

 オリジナルキャラクターとそのエピソードの特殊さ、独自さはまさにいわゆる
 「黒乙一」の真骨頂。
 そして、その行動や感情に裏打ちされる「過去」は凄惨で残酷なのに、
 「彼女の選択」には敬虔さを覚えるくらいに清廉なものをも感じさせたりして、
 「切なさの達人」なんていうコピーを思い出したりしました。
 
 それにしても悲しくてたまらない…読後の圧倒的な虚無感といったらないです。
 ため息をつくしかないというか。
 けれど読めて良かったのは確かで、これでこそ乙一と思ったのもまた本当です。

 あまりにも描かれた「敵」の姿が憎むべきものではなかったから、
 対決だとかそういうところで燃えるものを感じされなかったので、
 スタンド使いたちのバトル、な方面を期待されると肩透かし的ではあったかもとは
 思います。とくにジョジョに思いいれの深い人たちは、そう思うのではないかなと…

 ただ作者のジョジョに対する愛情の深さは感じました。
 それは読めばみんなそう思うのではないかなと。
 でもその表現のしかた、メタフィクション的な部分については、賛否あるでしょうね。

 しかし中身は私は好きですよ。
 中盤から徐々に感じる隠された真実の姿、なにかをだまされているという予感、
 そのゾクゾクする感じがたまらなくてページをどんどん読み進めていっていました。
 そしてクライマックスの、まるで救いを得たように散る彼の姿の、美しいことといったら、
 たまりませんでした……。泣けました。

 そしてこの本の装丁そのものの意味に気づくと、凄いな、というしかなくてもう。

 やっぱり乙一は良い。好きです。

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 あんまり関係ないけど、「死にぞこないの青」の映画、アレはないと思う。
 改変というか、踏みにじってるようにしか…なんで乙一原作の映画ってどれもこれも設定を思い切りイジルのよ。


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読書 | 10:17:20 | Trackback(0) | Comments(0)
「パコと魔法の絵本」
タイトルそのまんまですが、
「パコと魔法の絵本」、観に行ってきました!

最初に結論を言ってしまうと、
面白かった、泣けた、良かった、って感じで、もう大満足でしたよ。
好き嫌いはおそらく激しいと思うけれど、ハマる人はハマるんじゃないかな。

圧倒的にカラフルな舞台で、トンデモないメイクのイイ年した大人多数と
純粋一途な少女一人が、CGキャラとともに繰り広げる悲喜劇。

色々な意味で極端に装飾された外見と裏腹に、
話はシンプルかつわかりやすく、
「イジワルな大人がピュアな少女と出逢って変わっていく」、
という古今東西で手練手管尽くされまくってる筋書き。しかも難病モノです。

なのに涙が出る。キテレツなやつらのそのゴテゴテした見た目のスキマから
あふれ出てくる本当の「気持ち」が、がっちり観ているほうの心を捉えてくる。

なぜなのか、それに答えられる言葉を自分のちっちゃな頭では巧く表現できないけれど、
伝えようとしていることそのものにブレがなくって、
眼を惹く飾りを外してみれば、ちゃんと「感情のこもった魂」がそこにあること、
それだけはみんなに共通しているから、ではないかな、などと思ったりしました。

そして心底感じたのが、原作を大事にしている、ということでした。

私は原作の舞台、「MID SUMMER CAROL」初演版を観ていたのですが、
最初にこの話が映画になると知ったときは絶対に観に行かないだろうな、と思ってました。
だいたいタイトルがこんなわかりやすくなってるし、あああの「感動」を売るんだろう、
改変されまくっちゃうんだろう、そういうふうに思ってましたし、
最近までまったく食指も動かなかったです。が、意外に評判が良いので観に行ってみたのです。
そしたら監督さんごめんなさいって感じに良い出来で。
百聞は一見にしかずってやつでした。

舞台には舞台にしかない良さがあるし、それは映画にもしかり。
その舞台の良さをしっかり保ったまま、映画という表現方法の多様さをプラスされて、
原作が何倍にも魅力的になっているように感じたのです。
原作の延長線上に確かに映画がある、と思ったのです。
これはけっこう奇跡、ってやつじゃないでしょうか…?

そしてパコ=アヤカ・ウイルソンの可愛さといったらもう、これこそがある意味CGじゃないの、
て感じで。彼女の「ゲロゲーロ」とうたうような読み出し方がなんとも味がありました。
あと強烈なのは小池さんですか。わかりませんよあれは。
とくに巧かったなって思ったのは上川さん。ふざけた部分とシリアスな部分との見せ方が
絶妙な感じでした。皆さんそれぞれ素晴らしかったですがね。
あと、当然阿部サダヲは触れずにいられませんね……
彼が出るだけでお子様は喜んでたようです……

まあでもひとつ思うのは、子供向け、ではないですかね。
子供でも楽しめないこともないけれど、あのドギツサは子供にはわかりにくいかもだし、
基本、色々なしこりをもった大人たちのドラマですから、
人生経験山あり谷ありな大人のほうが、涙腺刺激されるんじゃないかしら。

とまあ、そんな感じで。
DVD絶対買いますよ。彦麻呂見逃しちゃったから!!(<結構本気で悔しい)

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絵本もおおいに気になるところです。キュージョンは買いましたvv 


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日々つれづれ | 22:38:29 | Trackback(0) | Comments(0)
綾辻行人「びっくり館の殺人」
びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

  「新本格ミステリ」を初めて読んだのは、
  「十角館の殺人」だったと思います。
  ……王道ですね。
  
  今となってはこのジャンルの古典な「館シリーズ」、
  子供向けレーベルのミステリーランドではありますが、
  この作品も立派なこのシリーズのひとつ、なのだそうです。 




  確かに筋立ては館シリーズそのもの。
  
  怪しげな洋館、いわくありげな住人たち、怖ろしげな噂、
  ……そして起こる殺人事件。

  どのシリーズも絞りきればそんな要素で構成されてますが、
  この作品はシリーズの重要なキモである部分だけをシンプルにわかりやすく、
  けれど味気なくなるほどには甘くせずに描いていて、
  作者の「らしさ」を十二分に感じることができました。

  ぜんぜん意外だった、とかそこまでの「びっくり」はなかったですが、
  あの幕引きには(楽しいものではないですけど)余韻があって、
  個人的にはそれなりに良かったと思いました。
  子供向け、かといわれると…どうなのかな??と思わなくもないけれど、
  テーマがテーマなだけに…。

  あと挿絵が怖いけど雰囲気にあってますね。
  耽美的幻想的で、綺麗でした。

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 「安楽椅子探偵」復活嬉しいなv……謎解きなんてできませんが。
 あのユルーイ解決編の空気込みで好きです。


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読書 | 22:53:13 | Trackback(0) | Comments(0)
小川洋子「ホテル・アイリス」「凍りついた香り」
ホテル・アイリス (幻冬舎文庫)
  最近立て続けに小川洋子さんの作品を
  読んでます。
  比較的初期の作品とか、雪崩のように。

  基本、文章が好きな作家さんなので、
  ソンしたーってことがまずないから、ていうのは
  実は大きいです…。




  本作「ホテル・アイリス」は、これはなんというか……

  私が思い出したのは「ラ・マン」というちょっと昔の映画でした。
  公開当時、規制がどうのとかいうことで必要以上に話題になってた
  記憶がありますが、筋や男女の関係としてはもちろんぜんぜん違うにしろ、
  全体をまとうイメージには、自然と想起させるものがあったのです。

  「究極の愛」と惹き句にありましたが、描かれている老人と少女の
  そのカタチには理解を覚えることはまったくなかったです。
  それを「愛」として納得して読むことは多分自分の生理的に、受け付けなかったのです。

  だから面白くなかったと短絡的にいう気はなく、
  ずぶずぶと深みにはまっていく彼と彼女のとことんまで堕ちていく醜さの描きように、
  いっそ狂気と名づけたいほどのまったくしらない「つながり」の存在を
  思い知らされたりしました。とても強いインパクトを受けました。
  
  そして、醜いのになぜだか高貴なようにも思えてしまう「異常さ」を、
  あくまで淡々と冷静に描く筆運びの滑らかさに、ぞっとするものすら感じたのです。

  それそのものが、美しいというふうに、思えたのです。

凍りついた香り (幻冬舎文庫)
  そしてこちらは「凍りついた香り」。
  
  「官能的」よりも「幻想的」な
  色合いの強い、ちょっと不思議な読感の話でした。

  突然自殺して先立たった恋人の過去を辿る女性は、
  やがて様々な真実を知っていく、単純にいえば
  そんな話ではありますが。




  恋人の弟、母親、そして残された彼女。
  それぞれが恋人を強く想い、死してもそれをやめるすべを知らない。

  気を違えた母親とは違い、まっとうな職を得ている弟も彼女も、
  その男にとらわれ続けている。
  そうせねば生きていけないというように、ひたすらに愛している。
  
  これから先の時間、同じ道を歩んでいくことはできないから、 
  それならば過去の彼の歩みを知り、重ねて生きていきたい。
  男に囚われてしまっている心の安静のために彼女らは男の過去を影を幻を追う。
  そう思って……なんてストイックなんだろうな、と思いましたね。

  美しいけれど、言いようもなく切ないばかりでした。


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読書 | 22:56:19 | Trackback(0) | Comments(0)
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