劇団☆新感線「シレンとラギ」
|Posted:2012/05/11 20:46|Category : 観劇|
連休前になりますが、劇団新感線「シレンとラギ」を
観に行ってきました。

ボケボケ写真ですみません。恒例の等身大?パネルです。かっこよい…
キャストだけ先に聞いたときには、新感線っぽくないなと
感じていたのですが、野波氏の美麗なキャストフォトなど
観るにつけ、期待は高まっておりました。
あの南北朝ぽい烏帽子帽が素敵です…
・・・
(以下ネタバレありです)
舞台は二幕構成で、一幕は特にスピード感と物語そのものの面白さが詰まった展開で、
ほんとに、あっという間でした。
純粋でまっすぐ(過ぎる)ラギ、幾多の戦いを潜り抜けてきて悟った貫禄のある
シレン、傲岸不遜ながら人を惹きつける魅力のあるダイゴ、
国を想い息子を諭すキョウゴク、…登場する人物が皆それぞれ魅力的。
そして彼らがどう思考してどう考えてどう行動をするのか、
それが読めずに、観ていてずっと惹きつけられっぱなしでした。
物語は反乱の匂いを濃くし、そして衝撃の事実があきらかになったところで
二幕へと移ってゆきます。
この衝撃の事実こそがこの芝居の重要なテーマであったわけですが。
シレンとラギ、ミサギとキョウゴク。
重ね合わせることでそしてそれぞれの行動の如何に、奇妙な因果が仄見えます。
個人的にはこのテーマを絡めた物語というのは苦手だったりするのですが、
今回はそれでも愛し合う、という流れになってなかったように取れたので、
そこまで苦手意識は生まれませんでした。
ラギのほうはそれでも慕うそぶりが強かったようでしたが、
シレンには残る慕情はあっても、きっとまた添うようなことはないだろうな、
と個人的には思ったのです。
なぜかというと(ただの私見がつづきますが)、
かつてダイゴを暗殺したときに、きっと憎いばかりでない感情が
そこにあったのではないかと思えたからです。そのときも、アイにきわめて近い
感情を持ちながらも作戦を遂行し、そして現在暗殺に失敗していたと知ってもなお、
そこに憎い感情はなく、どこか同志のように思っていたように感じられた、
その矛盾と重ねて考えたからです。
彼女は生まれながらの暗殺者です。暗殺を遂行することでしか生きていけない。
だから、己の感情など二の次におけるのだと。感じたのですね。
ほんとうは、ラギに対して、それでも情を優先させる展開があったほうが、
より激情的で惹きつけられると思いはしましたけどね。
どこまでもシレンはクールでした。暗殺者としての生き様を崩しませんでした。
そこがちょっと、もの足りなかったような気はします。
…ひっくるめた感想をつい書いてしまいましたが、
激動の一幕を経た二幕は、対してどちらかというとゆっくりしたペースで
物語が進みました。キョウゴクは裏切りを重ねてゆき、ゴダイはラギへ
後を託して果て、国は動乱に満ちて傾いてゆき…
すべてが混乱のるつぼへ、終わりへと進んでいくような展開です。
そして終わりが訪れたと…その絶望が広がったときに、希望が照らし出されます。
それですべての人が救われるわけではない。そんなことは歴然としている。
やはり先にあるのはまだ絶望の色濃い世界でしかない。
それでも救える限り、人を救ってゆこう。
血に染まったこの手が人を殺めずに人を救う奇跡は、得がたいものだからだ。
…と、いう、救いをみせたエンドでした。
…誰も救われない物語よりも、このほうがきっと後味は良い。
のですが、まあ、ちょっとやさしい終わりかただなというのが個人的な感想です。
テーマがテーマだけに、とことん絶望を突き詰めて、感情を昂ぶらせた展開でも
アリというか、それも観たかったなーというのは贅沢でただの個人的趣味な
想いなんでしょうか…やっぱり。
…今回は、役者さん、なかでもとりわけ高橋さんが凄かったです。
ゴダイ、かっこよすぎです。一番印象に残りましたよ。
永作さんは独特の年齢不詳な、可愛い顔して魔性系的雰囲気がシレンによく似合ってました。
藤原さんはこういう一途で突っ走るタイプの好青年、水を得た魚状態です。
ほかも久しぶりの悪役ぶりが板についていた古田さん、おとぼけ王様が愛嬌あった三宅さん、と
皆様好演です。橋本さんはいったいどこへいってしまうのか・・・とちょっと思いましたが
そして今回は舞台美術もまた素晴らしかったです。
とくにやっぱり二幕の開演後しばらく話が進んだのちに、
一瞬で一幕終幕前の場面に切り替わったところは出色ものでした。
演出では、新感線としては異例かなと感じたのは、シレンの夢の官能的で怖ろしくもあった場面と
(あのゴダイは反則…)、狂気をはらんだ宗教を彷彿させる、集団催眠状態のような信者たちの
動きがとても印象深かったです。
…そんなこんな、近年ではかなり気に入った新感線の舞台になりました。
お話にはもう少しもう少しと思う部分はありますが、
ほかにすごく良いと思える箇所がいくつもあったので、一言でいうなら、
面白くてよかった、という感想になります。
・・・
それをこーーんな長文を書いてしまいました。
駄文失礼しました。



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観に行ってきました。

ボケボケ写真ですみません。恒例の等身大?パネルです。かっこよい…
キャストだけ先に聞いたときには、新感線っぽくないなと
感じていたのですが、野波氏の美麗なキャストフォトなど
観るにつけ、期待は高まっておりました。
あの南北朝ぽい烏帽子帽が素敵です…
・・・
(以下ネタバレありです)
舞台は二幕構成で、一幕は特にスピード感と物語そのものの面白さが詰まった展開で、
ほんとに、あっという間でした。
純粋でまっすぐ(過ぎる)ラギ、幾多の戦いを潜り抜けてきて悟った貫禄のある
シレン、傲岸不遜ながら人を惹きつける魅力のあるダイゴ、
国を想い息子を諭すキョウゴク、…登場する人物が皆それぞれ魅力的。
そして彼らがどう思考してどう考えてどう行動をするのか、
それが読めずに、観ていてずっと惹きつけられっぱなしでした。
物語は反乱の匂いを濃くし、そして衝撃の事実があきらかになったところで
二幕へと移ってゆきます。
この衝撃の事実こそがこの芝居の重要なテーマであったわけですが。
シレンとラギ、ミサギとキョウゴク。
重ね合わせることでそしてそれぞれの行動の如何に、奇妙な因果が仄見えます。
個人的にはこのテーマを絡めた物語というのは苦手だったりするのですが、
今回はそれでも愛し合う、という流れになってなかったように取れたので、
そこまで苦手意識は生まれませんでした。
ラギのほうはそれでも慕うそぶりが強かったようでしたが、
シレンには残る慕情はあっても、きっとまた添うようなことはないだろうな、
と個人的には思ったのです。
なぜかというと(ただの私見がつづきますが)、
かつてダイゴを暗殺したときに、きっと憎いばかりでない感情が
そこにあったのではないかと思えたからです。そのときも、アイにきわめて近い
感情を持ちながらも作戦を遂行し、そして現在暗殺に失敗していたと知ってもなお、
そこに憎い感情はなく、どこか同志のように思っていたように感じられた、
その矛盾と重ねて考えたからです。
彼女は生まれながらの暗殺者です。暗殺を遂行することでしか生きていけない。
だから、己の感情など二の次におけるのだと。感じたのですね。
ほんとうは、ラギに対して、それでも情を優先させる展開があったほうが、
より激情的で惹きつけられると思いはしましたけどね。
どこまでもシレンはクールでした。暗殺者としての生き様を崩しませんでした。
そこがちょっと、もの足りなかったような気はします。
…ひっくるめた感想をつい書いてしまいましたが、
激動の一幕を経た二幕は、対してどちらかというとゆっくりしたペースで
物語が進みました。キョウゴクは裏切りを重ねてゆき、ゴダイはラギへ
後を託して果て、国は動乱に満ちて傾いてゆき…
すべてが混乱のるつぼへ、終わりへと進んでいくような展開です。
そして終わりが訪れたと…その絶望が広がったときに、希望が照らし出されます。
それですべての人が救われるわけではない。そんなことは歴然としている。
やはり先にあるのはまだ絶望の色濃い世界でしかない。
それでも救える限り、人を救ってゆこう。
血に染まったこの手が人を殺めずに人を救う奇跡は、得がたいものだからだ。
…と、いう、救いをみせたエンドでした。
…誰も救われない物語よりも、このほうがきっと後味は良い。
のですが、まあ、ちょっとやさしい終わりかただなというのが個人的な感想です。
テーマがテーマだけに、とことん絶望を突き詰めて、感情を昂ぶらせた展開でも
アリというか、それも観たかったなーというのは贅沢でただの個人的趣味な
想いなんでしょうか…やっぱり。
…今回は、役者さん、なかでもとりわけ高橋さんが凄かったです。
ゴダイ、かっこよすぎです。一番印象に残りましたよ。
永作さんは独特の年齢不詳な、可愛い顔して魔性系的雰囲気がシレンによく似合ってました。
藤原さんはこういう一途で突っ走るタイプの好青年、水を得た魚状態です。
ほかも久しぶりの悪役ぶりが板についていた古田さん、おとぼけ王様が愛嬌あった三宅さん、と
皆様好演です。橋本さんはいったいどこへいってしまうのか・・・とちょっと思いましたが

そして今回は舞台美術もまた素晴らしかったです。
とくにやっぱり二幕の開演後しばらく話が進んだのちに、
一瞬で一幕終幕前の場面に切り替わったところは出色ものでした。
演出では、新感線としては異例かなと感じたのは、シレンの夢の官能的で怖ろしくもあった場面と
(あのゴダイは反則…)、狂気をはらんだ宗教を彷彿させる、集団催眠状態のような信者たちの
動きがとても印象深かったです。
…そんなこんな、近年ではかなり気に入った新感線の舞台になりました。
お話にはもう少しもう少しと思う部分はありますが、
ほかにすごく良いと思える箇所がいくつもあったので、一言でいうなら、
面白くてよかった、という感想になります。
・・・
それをこーーんな長文を書いてしまいました。
駄文失礼しました。

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