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読書

津村記久子「ポースケ」

中央公論新社
発売日 : 2013-12-09

とある街角の、ほっとくつろげるような雰囲気が満ちたカフェ。
そのカフェを経営する店主と従業員のアルバイトやパートさん、そして常連のお客さんや顔なじみ。彼女たちのそれぞれの人生模様がいつもの淡々としつつユーモアに満ちた筆致で、とつとつと描かれた物語です。

作者さんの作品らしく、基本的にみんな普通の人々、ではあるものの、一人一人に思いもよらない事情があり、トラウマがあり、悩みがある。けれどそれは特別なことというわけではなくて、現代人たるもの、それがもう普通なのかもしれません。だからリアリティがありキャラクタに体温を感じることができます。

彼女達は、その「大変さ」を誰かにひけらかすことはないけれど、ただ、日常の歩みのなかで、自分自身でひとつずつ一歩を進めてゆく。ほんのわずかずつでも。誰かのちからを借りつつも。

そのささやかな彼女たちの人生を前進させる姿、生きゆく姿に、ほんのり勇気や、がんばりたいなあ、という気持ちにさせてくれました。ここで感動させる!という強い描写はなくとも、さまざまな何気ない台詞に、描写に、自然と胸の内が温まるような感覚を抱いたのでした。いいなあ。

登場人物が多くてだれがだれだ?と混乱したりすることもあったりはしましたが、重すぎず軽すぎないバランス絶妙な人間模様と、おいしそうな料理描写に楽しんで読むことができました。

オシャレカフェは山ほどあれど、こんなやさしさに満ちたカフェ、なかなか見つからないだろうなあ。どこか近くにないかなあ…。


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*読み終わった「満願」。ほんのりどころでなく重い、けれど巧緻な手管が素晴らしくて面白い。姉妹の話のラスト一行が戦慄だった。
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