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読書

乾ルカ「願いながら、祈りながら」


来年度には本校と統合されることが決まっている、北海道のとある分校。
その分校の生徒は、三年生がひとりと一年生が四人。
彼らを教えることになったわけありの新任教師を含めた、
五人のかけがえのない一年の物語がつづられます。

…教師のエピソードから始まり、ああなかなかこれは良い話系か、と穏やかに読んでいたら、三年生の話でキツいエピソードを持ち出し、一年生女子の話でもっと痛々しい話となったので、「ああこんないい話しかありえないシチュエーションでも作者らしい厭らしい話になるのか」と危惧を抱きながら読み進めましたが、最後のほうにはじわりと心が温まるような未来への「願いと祈り」で幕が閉じられたので、どことなくほっとしました。こないだ読んだ作者の作品のバッドエンドっぷりがトラウマだったのでしょうか…

ともかく、女子ふたりのエピソードだけどことなくつらいものを感じましたが、それも彼女らを一歩未来へ前進させるための試練、成長の糧、という側面で見ることはできます。やさしいことだけで作られているわけではない人生を早めに理解できたとも思えるわけで、決してそれらは長い目で見ればマイナスではないのでしょう。
そのときは打ちひしがれたとしても。

後半になるにしたがって、「嘘」の意味を深く考えるようになっていきます。

彼の嘘は、あくまで、相手を肯定するため、相手を思うがゆえの行為だったのだと気づかされていきます。彼の境遇がなければこういう「嘘」は存在しません。普通嘘は、自分の保身のためにつくものですから。だからかえって彼の人生の重さつらさを感じ取ることができたのでした。

そして、凍てつく寒さのなか、あのかけがえのない風景のなかで彼が感じた感情を、わたしは感じられているのだろうか、などと自問させられました。日々を大切に生きていかなければいけないな、と、いまさらな当たり前なことも思ったりしました。


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*読書中:「営繕かるかや怪異譚」この背筋がすっと冷たくなる感じ、まさにジャパニーズホラー。伝統ですね。夏ですね…

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