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読書

朝井リョウ「スペードの3」


ミュージカル女優のファンクラブを束ねる美知代、くせ毛に悩まされ冴えない風貌のむつ美、同期はトップクラスのスタ―であり続けているのに、落ち目に差し掛かりつつあるつかさ。

三人の女性の「理想と現実」の合間に夢を求めるような人生の、
それぞれの岐路と決意を描いた物語です。

一番印象に残ったのは表題作でした。ネット弁慶なんて言葉がありますが、それに近い二面性をもって、現実の生活を「ないもの」としてひた隠しにしている生き方は、リアルに心情がわかってきてしまって、彼女の痛々しさが次第にあらわになる展開なものでヒリヒリさせられていきました。

だってだれでもなにか、どこかに優位性を持っていたいものだから。弱い部分は隠していたいものだから。気持ちはイタイほどわかる。

けれども、わかるけれど、それでも彼女の生き方は、大人ではない。それを気付かせた彼女は、「復讐」ではなく自分の過去を乗り越えてきたからこそ、ああいう行動、言動を取ったのだ、と思いたいです。

だれもが背景に物語を求める、というつかさの独白もまたインパクトを感じました。ただ流されるままに生きてしたいことをしつづける、それだけでは駄目なのかと。目的がなければ革命に臨んではいけないのかと。何もないけれど突き進みたいという、その意気の清々しさは、どこか空虚ではあるけれど、そこまで思い切って生きていければもうそれだけで素敵だと、一般人たる私は思うのでした。

女特有のドロドロさを描いた物語ですが、やはり男性から書いたものなので、よくわかってらっしゃる、なんて思いましたが、やっぱりそこまでどぎつくはないなとは思ったりしました。ええ、こんなに容赦がなくても、です。


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*イキウメ「聖地X」が間近。楽しみだなあ。
*「人魚と金魚鉢」読了。よりほのぼのと。青鬼の話がよかったなー。
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hito1124

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