芝居や本などで楽しくさまよう日々の記録。

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

読書

乾ルカ「モノクローム」


冬の日に、母親に見捨てられた少年。

彼は、施設で暖かく見守られて育ちながらも、そのわだかまりの記憶を胸中に抱え続けていた。やがて彼は信頼できる友達と出会い、ゆっくりと一歩ずつ前に踏み出していき、過去の自分、そして母親の真実と向き合う覚悟を抱いていく、…という物語。

囲碁を話のキーとしてはいても、物語の重心は息子と母親の間の葛藤。

一人称で訥々と繰り返される主人公である彼の独白は、きりきりと痛ましいのだけれど、少しばかり、重すぎるように感じました。敵が周りにいるのではなく、自分が高い壁を作っているというのは、彼の境遇を思えば理解はできるのですが…。

エピソードほとんどが「壁を作る」「自覚する」「内省する」の繰り返しばかりなので、少し辛く思いながら読んでいました。コーラの話は少しホラー化と思いました…作者的に。

それでもユニークな友人の力添えもあって何とか踏み出していき、ようやく、ほっとしたものでけしてした。

終盤にきっぱり別れを選択した母子の姿は痛ましいし、母親はやはり身勝手だと感じてやみません。あの対局時に集中力を乱した理由、というのを考えると、「優先するもの」が違っていただけということになるのでしょうが、その意識は、あまりにも、残酷だと思うのでした。

彼がこの別れ以降、前を向いてまっすぐに進んでくれることを思うばかりです。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

*読了:「太宰治の辞書」あの「私」が子持ちの主婦か…などという感慨もひとしおなお久しぶりの再会。ドラマチックな人生ではなくとも、ひとつひとつを大事に生きている「私」たちと、「本」が与える可能性の広さを改めて知らしめてくれた一冊でした。
関連記事
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

自分のこと

hito1124

Author:hito1124
 ☆読書と観劇を愛しております。
 ☆読書感想はブクログと連携始めました。
 ☆おでかけとかは別ブログでまったり更新中。
→http://kurasimuki.exblog.jp/

 ☆観劇予定(希望込)…
「8月の家族たち」
「太陽」
「アルカディア」

amazon
booklog
FC2カウンター
SEARCH

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。