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読書

伊坂幸太郎「死神の浮力」


「死神の精度」につづく死神の千葉が活躍?するシリーズ二作目は、娘の仇を追う夫婦と死神の波乱に満ちた一週間を描いた物語でした。

あまりにも理不尽に生を終えた娘、
なのにこれもまた理不尽に無罪放免された「二十五人に一人」のシリアルキラーの素質を持つ犯人の青年。

彼の存在のおぞましさに立ち向かう夫婦の無力でありながらも必死なさまは、幾多のリアルな事件を思い出したりもしてきりきりと悲しくさせられます。

そしてただ静かに夫婦の顛末を時に見守り時に邪魔し、そしていざというところではさらっと助ける死神の千葉の存在が、夫婦の救いの光明となっているのがどこか、ほほえましいし、死神なのに、と肩をすくめたくもなります。

こういったシリアスとファンタジックな要素のバランスがとても巧くて、基本的に辛さの滲む復讐譚で逃亡譚でありながら、読み手をそこまで重く引きずらせません。

けれど、いったいどうなってしまうのか…という緊迫感は終盤までつづき、ある意味残酷ながらもほっとできたその結末は、納得できるものでした。

繰り返される父子のエピソードがまた印象深くて、このようなかたちで子にものごとを教えることのできた父親は、やはり素晴らしい父親だと感じました。それを諦念や終わりでとらえるのではなく、いつかの当然の帰結、と考えるということ。それによって、今現在がより重要でかけがえのないものだと、信じられるようになるんだな、と思えたのでした。



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*現在読書中:「火星に住むつもりかい?」こちらもまた無力な存在と暴走する存在を描いた、結構ヘビーな作品のようです。
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hito1124

Author:hito1124
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