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読書

ケイト・モートン「秘密」


のどかな田園地帯に構えた一軒家で、少女は母親が見知らぬ男を刺殺するのを目撃する。正当防衛と認められて罪には問われなかったが、少女は確かに聞いていた、男が母に「ドロシー、久しぶりだね」と呼ぶ声を…

映像的な家と家を取り巻く風景の描写から、その殺人事件へと場面は繋がっていきます。まるで映画の導入部のようでミステリで王道でもあるプロローグは、全編を貫く今回の謎でもあります。

長じて一角の女優となったかつての少女=ローレルの視点と、母=ドロシーの視点を交互に描いて過去と現在を行き来しながら、その謎にまつわる不可思議な物事をいくつも描き出していくという、興味を惹かせる展開。ちりばめらえた象徴的なアイテムやエピソードが、なにを物語るのか。抒情的な雰囲気に浸りつつ、さくっと読めた上巻だったのでした。



そして下巻です。上巻で膨らみ切ったいくつもの謎が、ひとつずつスムーズに解明されていきながら、最大級の「真実」がやがて現れてきます。

その真実だけを撮り出すと、徐々にそれではないかなと感づきはするものの、物語としては…ただひとこと、見事な展開でした。

意外性と物語性があいまった驚きと、そしてなんともいえない深い感慨に包まれた「真実」だと思えたからです。

彼女たちの激動の日々と複雑な感情の織り成した結果、たどり着いた運命には、尊さと酷さを同時に感じ取りました。

下巻はではなおまだ謎を膨らませながらも、切ない恋愛模様を混ぜ込んだりドラマ性があり、ミステリというよりはひとつの女性の半生記としても趣深く読めました。ラストシーンはある意味綺麗すぎるかもしれませんが、やはり映像的で美しく、長大な物語の幕引きとして素晴らしい場面だったと私は思いました。

久しぶりに翻訳物を読みましたが、とても読みやすい和訳でした。上下巻長い物語でしたが、まったくストレスなく楽しめて良かったです。


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