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芝居や本などで楽しくさまよう日々の記録。

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観劇

佐々木蔵之介「マクベス」


先週末に、森ノ宮ピロティホールにて、
「マクベス」を観劇してきました。

今回のマクベスは、佐々木蔵之介氏演じる精神病患者が
登場人物20人あまりを一人で演じ分ける、という特異な設定です。
その設定に惹かれて今回観劇することにしたのでした。

薄青い照明に照らされた、隔離病室を模した舞台で、
説明はなにもなく物語は始まります。
スーツから病室用の簡素な服へ着替えた患者は、
医師と看護師が部屋から退出すると突然、マクベスを演じだします。

3人の魔女の予言、
夫人の煽動、王の暗殺、かつての友との対立、
そして殺人、そして…破滅。

マクベスの粗筋どおりに、患者はときにマクベス、ときに夫人、
ときに王…と、それぞれの人物になりきって場面を再現していきます。
その生々しい迫力、幾人へなりきるということの異常さに、
その「芝居」が意味する理由もわからずにただ引き込まれていきます。

その迫力には、ほかならぬ患者=佐々木さんの恐ろしいまでの
「役」への全身全霊をかけた没頭があります。
身体の動きと台詞まわし、少しのアイテムだけで、
「人が変わった」ということを認識させるというのは、簡単なことではないのはわかりきったことです。
ただただ凄いなあと・・・感嘆するばかりでした。

そうしてその「マクベスという芝居」に引き込まれる一方で、
彼はどうしてこんなことをしているのだろうか?、
という疑問もまたふくらんできます。

その解答を考えるためには、繰り広げられているマクベスという演目、その原典と芝居との違い、を感じる・知る必要があるように思います。そういう意味では、マクベスそのものを知っていないと難しいのだろうなとも個人的には、思いました。演じわけを理解するためにも。

完璧につづけられるマクベスという芝居、そのほんのわずかなほつれ目、現実への裂け目がちらちら覗き出し・・・、芝居のクライマックスとともに、患者は慟哭します。
魂がほえているような悲痛さが圧倒的でした。

そして…、有名なとある台詞で、幕が閉じます。

・・・患者は、何者なのか?
その答えは用意されていません。

マクベスを演じる彼の姿から感じ取るしかないのです。
けれど、その答え、彼が何者なのかを問う物語ではそもそもないのでしょう。ひとりの患者が、なにかの悲劇など
によって、ただマクベスを演じるしかできないというその絶望を、それでも命を絶たないでいるという抵抗、というぎりぎりの生き様を味わう物語、なのでしょう。

・・・と、個人的には思いました。
ものすごい勘違いや飛躍をしていたら恥ずかしいばかりですが、それはそれで、いろんな受けとめ方のできる物語だったおいうことで、ひとつお願いしたいと思います・・・。

ちなみにマクベスですが、これを題材とした芝居としては、昔新感線の「メタルマクベス」を見たきりです。見たうちに入らない…といわれそうですけれど…、あれはあれで意外と(失礼)原典に忠実だったのだなと思いました。

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*次の観劇は「夜への長い旅路」。去年似た布陣で上演された「おそるべき親たち」が好きだったので期待。

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hito1124

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