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芝居や本などで楽しくさまよう日々の記録。

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日々つれづれ

道尾秀介「獏の檻」

著者 : 道尾秀介
新潮社
発売日 : 2014-04-22
元妻に引き取られた息子との「最後の」日々を、主人公は生まれ故郷で過ごすことにした。そのひとつの端緒には、彼に縁の深い女性が目の前で死んだことがあった。悪夢に悩まされつつ故郷へ訪れた彼が遭遇する新たな事件と、過去の真実、そして夢の意味するものとは…。

という物語、幻想味を合間合間に含みつつ、閉鎖性のある田舎の風情を丁寧に描きながら、幾重にも絡まった糸の隙間を慎重にあけていくように、徐々に事件と過去の真実が明らかにされていきます。

「夢」のパートには抽象的な描写が多く、それをちゃんと理解できたかとはいえないのですが(なさけない)、それでもそこにある異常、畏れ、不可解を感じ取れてゆくので、読み進むうちに、じわじわと主人公の感じている怖れを理解できてきます。

それに加えて、閉鎖的状況が呼び起こす孤立感、というんでしょうか、「逃げ場のない」恐ろしさがだんだんと引き立ってきたように思いました。

もうひとつの話の軸に息子と父の絆、があるのですが、この描き方がほろ苦く、いとしくもなりました。終盤ではどうにか希望ある未来が待っていてほしいと願うばかりでした。

事件はかなり大がかりともいえるもので、ただそれには何人もの人の思い違いが含まれていたので、悪が裁かれたというすっきり感はなく、すべてが明らかになってもかなり虚しく切なく感じさせられました。悪人がいたわけではない事件は、どうしてもそういう複雑な感覚をあとに残します。

幻想に踊らされつつ、ロジックに驚く、
そんな読みがいのあるミステリでした。


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hito1124

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