芝居や本などで楽しくさまよう日々の記録。

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

読書

宮下奈都「誰かが足りない


「美味しい」とだれからも評判を得ているレストラン「ハライ」。同じ日にそのレストランの予約を入れることになる、6組の客のそれぞれの物語を描いた短編集です。

登場人物たちそれぞれが、今現在にぼんやりとした不安を抱いています。その想いはタイトルの「誰かが足りない」という言葉に集約されて表されます。物忘れが進んできた老婦人、とあることをきっかけにビデオを通してしか世界と触れ合えない青年、ランチに来る客に淡い想いを抱く料理人。それぞれのささやかでリアルな感情のゆらめきが、さざなみのようにやさしく丁寧に描写されます。

展開はあくまでそっとしたもので、大きな感動を呼ぶつもりもない、ほんのりあたたかな気持ちになる、隣に寄り添うようなお話ばかりです。けれどそのささやかさこそが、ちょっと贅沢な食事をして味わう幸福に似たものであるように感じました。

そこで訪れる幸福は、日常のなかで味わう「幸せ」とはまたちょっと違いますし、いつも欲しいというものでもないでしょう。けれど、たまには与えられたいという温かさが、確実にそこに行けばあるというのは、とても心強いものだと感じたのでした。

「ハライ」、行きたいな、いいなあ。

そう思わせる雰囲気を感じさせられたことで、この本は成功していると、そう思いました。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

*「自画像」を休日に一気読みしてくらくら。スクールカーストのリアルな話はほんとにずどんと胸をつきます…
関連記事
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

自分のこと

hito1124

Author:hito1124
 ☆読書と観劇を愛しております。
 ☆読書感想はブクログと連携始めました。
 ☆おでかけとかは別ブログでまったり更新中。
→http://kurasimuki.exblog.jp/

 ☆観劇予定(希望込)…
「8月の家族たち」
「太陽」
「アルカディア」

amazon
booklog
FC2カウンター
SEARCH

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。