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読書

原田ひ香「母親ウエスタン」

おもしろうて、やがて悲しき。

そういうニュアンスの表現がありますが、この本を読んだ感想がまさにそれです。この作者さんを初めて知ったのがこの本でしたが、その独特の小説世界のニュアンスにこれからすっかりハマりました。

このお話は、家から家へ、「母親がわり」をつとめては突然去っていく女性の半生をつづった物語。風変わりな設定と物語は、どこかさばさばとした文章で母親のさすらいを描いていきますが、やがて予想もつかない展開を迎えていきます。

読み進めるうちに、「問題のある母のいない家庭を建て直し、引き際を感じて去っていく」という彼女の過去の生きざまと、「スナックの店主として落ち着いた彼女の前に現れた大学生の男女」の現在進行形の物語が交互に綴られていっているのがわかってきます。

それぞれのエピソードによって、親と子というかけがえのない信頼関係、家族という繋がりの大切さが、さらりと描かれていてしんみり涙を浮かべさせるのですが、では、彼女はなぜ?というところは、最後の最後のほうまでわかりません。

そしてその「真実」は、数ページほどに小さくまとめられて語られていました。けれども、それだけで、彼女がなぜあのような生き方を選んだのかが、すうっと理解できたのです。そして、まるで破天荒な生きざまのように見えた彼女の人生に道筋がはっきりと見えたのです。だからか、という納得と、それゆえの、悲しみがひたひたと…。

だから、エピソードのあたたかさが小気味よく面白く、そして読み終えてしんみりと悲しく、そういう幅広い情感の漂う一冊、となったのでした。だからなんとも、味わい深い物語となっているのです。

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※現在読書中※「左京区恋月橋渡ル」やだなにこの初々しいお話は…素敵。

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