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読書

上橋菜穂子「鹿の王」


故郷を守るために死を覚悟で戦地に赴く「独角」。
これを率いていたヴァンだったが、捕えられ、奴隷の身に落とされた。そうして働かされている岩塩鉱である日謎の獣の襲来に遭い、それをきっかけとして人が続々と病に倒れ死んでゆく事態が起こる。その中、命からがら逃げだしたヴァンは、ともに生き残った幼女と同行することになる…

という導入部から始まる物語は、いつものように勢いよく走り出し、その先が気になってたまらないという疾走感に満ちています。

今回はけれどアクションシーンよりも「死」「病」という根源的な人間の在り方そのものにスポットをあて、「静」の場面にも重きをおかれています。そのためか、登場人物たちのやり取り、会話がひとつひとつ、それぞれの人物の生きざまやモットーを表した、大切な積み重ねのように感じられました。

ほのぼのした場面にほっこりしつついったいこれからどんな試練が待ち受けているのかとハラハラもしつつ…どう展開していくのか手に汗握る(手垢のついた表現ですが)上巻でした!



上巻で撒かれていたさまざまなピースが、
ひとつひとつまとまっていく鮮やかさも見られた下巻の展開。

動的な場面よりも、「どうして病が起こったのか・助かった者と助からなかった者がどうしていたのか」という謎を、物語世界から徐々にたくみに解き明かすさまを、圧巻に感じました。

病に対して、死に対して持つ、それぞれの経験と知識とそして根源的な感情の絡み合いが複雑で、けれどどれもがけして間違いではないという厄介さが、人間の業ともいえるものなのかしら、とも思ったりしたのでした。

悲劇的な最後を予感していたのですが、思いがけず(きっと)希望を感じられた結末にはほっとしました。登場人物がただ多すぎて、あの人は誰だっけか…とおたおたしてしまいつつではありましたが…キャラクタ相関図がほしかった(私だけだろうか…)。

それと少し感じたのは、現代医療のリアリティとファンタジーの世界を巧く立ち上げるのには、若干どうしても齟齬というか難しさがあるんだなとも感じました。完璧に無くす必要はないでしょうが、気になる人は気になる、のかなと思いました。

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※ついに守り人シリーズが映像化されますな…不安ですねえ…。
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hito1124

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