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読書

道尾秀介「透明カメレオン」

著者 : 道尾秀介
KADOKAWA/角川書店
発売日 : 2015-01-30

ラジオのパーソナリティをつとめている「声だけイケメン」(失礼)の桐畑の行きつけのバー。一癖ある常連たちが集まるその店に、とある夜いわくありげな少女が飛び込んできた。その少女の勘違いをきっかけに、桐畑たちは面倒なことに巻き込まれていってしまう・・・。

この娘はうそをついているなあというのは悟りつつも、それがなんなのかはわからず、そして桐畑自身の抱える事情についてもなんとなく察しつつも、それでも先へ先へと読ませていくリーダビリティはやはりウマイです。ユーモア交じりに明るく展開していく物語はやがて、人のやさしさに満ちた切ない真実に直面します。

目に見えないものを信じたい、たしかに過去に起こったことでも「なかったこと」として先へ進んでいきたい。そういった一つ間違えばただの現実逃避ととらえられかねない「妄想」を、桐畑はとてもやさしく自然な「嘘」でコーティングして人々に届け、彼らを未来へといざなっていく。その彼の心がとてもやさしくうつくしく、切なさを誘います。

彼自身も人をいやしつつ空虚を抱えていて、それが最後に爆発します。その慟哭の場面はただただ哀切なのだけれど、ずっと抱え込んでいたその想いをようやく外へ放てたんだということに違いはありません。それで、夜明けを迎えた朝のような、すがすがしい解放感のようなものをも感じたのでした。

彼らの未来に幸あらんことを、と願うばかりです。

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※現在読書中:「恩讐の鎮魂曲」厭らしさの詰まった話だけれど読みやすくてさくさくと進みます。どうなるどうなる。

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